衝撃的な出会い
Hさんとの出会いは私にとって人生観を変えるほど衝撃的な出来事でした。それは高校三年のとき、翌年には大学受験を控えた夏のある夕方の事です。入試対策のための参考書を買いに、近所の書店へ行ったときです。
なかなか参考書が決まらず、私は大学入試コーナーの棚の前で突っ立っていると、「あれ、君は確か○○君の弟さんだよね」と、いきなり声をかけられたのです。振り返ると、そこに立っていたのは学生っぽい青年でした。その人がHさんだったのです。
向こうは私のことを知っているようですが、私はまったく覚えていません。当時、私の兄は大学生で、家に様々な学生を連れてきていましたから、大方、兄の知り合いだろうと思い、頭だけ下げて挨拶をしました。
「そうか、大学受験だったよね。英語の参考書を探してるの?」そう訊かれて、私は何だか恥ずかしくなり、「はい」とだけ答えました。するとHさんは、「ちょっと僕の家にきなよ。いいテキストがあるんだ」そう言うと、Hさんはほとんど強引に私を自分の家に連れて行ったのです。
Hさんの話によれば、兄は中学時代の後輩で、私はまったく覚えていないのですが、我が家へも何度か遊びに来ていたと言うのです。